実は、子供の忘れ物を減らす効果的な方法があります。
それは、「叱らない」「怒らない」ということです。
なぜなら、忘れ物をする子供に対して、叱ったり怒ったりしても何も変わらないからです。
私は教師経験の中で、忘れ物が多い子供たちを改善するために、保護者と協力しながら取り組んできました。
その過程で、叱ったり怒ったりすることに意味がないことを知り、「どうすれば忘れ物がなくなるのか?」を子供自身に考えさせたり、教えたりすることが重要であると分かりました。
この記事では、叱らずに子供の忘れ物を減らす効果的な方法を教えます。
この記事を読むと、忘れ物が多い子供に対してイライラすることなく、指導することができます。
結論は「何をすべきか具体的な行動を伝える」ことです。
それだけで、子供の忘れ物を減らせるように改善することができます。
どうして、叱ったり怒ったりしても意味がないのか?
当然ですが、子供は忘れ物をしたくてしているのではありません。
忘れ物をして落ち込んでいるところに、追い打ちをかけるように叱ってしまうと、子供がますます落胆してしまうでしょう。
「自分はなんで忘れ物をしてしまったのだろう?」と自己嫌悪に陥ったり、学習などの他のことに集中できなくなったりしてしまうことになりかねません。
また、忘れ物をしない理由が「自分が困るから」ではなく「怒鳴られるのが怖いから」へと変わり、自分が忘れ物をしたことをバレないように隠そうとします。
例えば、学校の授業において、家に算数のノートを忘れたのに、黙って他の教科のノートや自由帳にこっそり書くのは、その傾向が出てきているサインだと言えます。
また、学校に忘れ物をしたのに、保護者に「○○を忘れちゃったよ。」「○○を買ってきて。」と伝えることができず、翌日も何も持ってこないこともあります。
長期的に見て、忘れ物をした子供に対して強く叱ったことで改善された例はほとんどありません。
一時的に「怒られるのが怖いから持っていこう。」と意識して忘れ物が減ることがありますが、しばらく経つと元に戻ってしまいます。
忘れ物をほとんどしない子供たちは、どのような行動をしているのか?
忘れ物が多い子供とは反対に、忘れ物をほとんどしない子供もいます。
忘れ物をほとんどしない子供たちは、どのような行動をしているのでしょうか?
私の知る限りでは…
・家に帰ったら、すぐに明日の持ち物の準備をする
・保護者に明日の持ち物を伝えて、次の朝も声をかけてもらう
・玄関のところに、持ち物を全部置いておく
・必要な持ち物のチェックリストをつくる
・持ち物を保護者と一緒に確認する
・目立つところに、持ち物を書いた紙を貼っておく
・「忘れ物をしなかった日(持ち物をきちんともって行けた日)」をカレンダーに書く
・友達と遊んで、帰る時にお互いに明日の持ち物を確認する
・寝る前と朝起きた時など、持ち物を複数回確認する
・ノートや自由帳などは数冊のストックを用意しておく
の10項目が挙げられます。
持ち物を忘れないように様々な工夫と努力をしています。
子供の忘れ物が多い場合は、上記の10項目で出来ることから始めてみると良いでしょう。
忘れ物をしてしまう原因を究明する
忘れ物をしてしまう問題を解決するために、「忘れ物をしないように心掛ける」という意識だけでは不十分な場合が多いです。
様々な視点で原因を究明し、改善策を講じる必要があります。
整理整頓が苦手
部屋やデスクが物で溢れ、乱雑になっている状態では、何を持っていけばいいのか分からなくなってしまいます。
明日のために準備をしようと思っても、必要な物が見つからずに探す羽目になります。
また、せっかく準備した物とデスクの上や床に放置された物が混じってしまい。出かける直前になって慌ててしまうことも考えられるでしょう。
まずは、部屋やデスクを整理整頓して、どこに何がいくつ置いてあるのかを把握することが必要です。
整理の仕方については、以下の記事が参考になります。
記憶力を過信してしまう
人間は情報を記憶をすることもできますが、忘れてしまう生き物です。
持ち物を把握した時点では、明確に頭に記憶していたことでも、時間が経っていくと少しずつ忘れてしまいます。
また、途中で他の情報と合わさって、記憶が混在してしまうこともあり得ます。
忘れ物を防ぐために、持ち物を必ずメモをして記録をしておくことが大切です。
記録する習慣を身に付けておくと良いでしょう。
時間の使い方が下手
子供から「持ち物を机の上にちゃんと用意したのに、スクールバッグ(ランドセル)に入れるのを忘れた。」「持ってきたつもりでいたけど、入っていなかった。」「用意しようと思っていたけど、買えなかった。」という声をよく耳にします。
さらに原因を追求していくと、慌てて持ち物の用意をしたせいで、その焦りから確認を怠っていることが分かりました。
・持ち物をいつまでに用意するのか?
・持ち物を用意するのに、どのくらいの時間がかかるのか?
・用意したものをいつまでに持っていくのか?
などスケジュールを管理することが重要です。
余裕をもって準備できれば、忘れ物を減らすことができるでしょう。
まとめ
人間はすぐに成長できませんし、なかなか変われないものです。
特に子供は未熟な部分が多く、大人になるための成長の過程にあります。
忘れ物に関しては長期的に見て、段階的に育てていく必要があります。
忘れ物をよくする子供が、持ち物をきちんと持ってきた時は思いっきり褒めてあげてください。
ついつい叱ってしまいがちになる忘れ物の指導については、心に余裕をもって実行することが大切なのです。