実は、子供のLINEのトラブルから未然に防ぐ方法があります。
その方法にちついてのヒントが「LINEの利用規約」に載っているのです。
子供のLINEのトラブルが起きてしまう一番の原因は、「LINEの利用規約を守らないこと」です。
LINEの利用規約を読んでいない、あるいは理解していないことによって様々なトラブルを引き起こしてしまうのです。
私は学校現場で多くの子供たちや保護者にLINEの指導してきた経験があります。
この記事では、指導してきた実践的な内容をお伝えします。
この記事を読むと、LINEのトラブルを回避して、安全に利用することができます。
結論は、利用規約のポイントをしっかりとおさえ、厳守させることです。
それだけで、子供をLINEのトラブルから守ることができます。
責任の所在を明らかにする
LINEによるトラブルが起きた場合、非常に困るのは「責任の所在があいまい」という点です。
「結局のところ誰が悪いの?」「だれが責任をとるの?」ということになると、トラブルに関わった関係者に聞き取りをして事実を確認したり、LINEのメッセージの履歴を調べたりするなど、膨大な時間がとられてしまいます。
しかし、事前に「責任の所在」が明らかになっていれば、その責任者に対応してもらうのが原則になります。
一体、誰が責任者なのでしょうか?
2.2. お客様が未成年者である場合は、親権者等の法定代理人の同意を得たうえで本サービスを利用してください。また、お客様が本サービスを事業者のために利用する場合は、当該事業者も本規約に同意したうえで本サービスを利用してください。
親権者とは、子の監護及び財産管理について権限(親権)を有する者のことで、一般的に「保護者」を指します。
子供が未成年者である場合、子供自身だけでLINEのサービスを利用できないことになっています。
条件としては、保護者の同意を得る必要があります。
また、「親権者などの法定代理人」となっていますが、この“など”に含まれるのは、「未成年後見人(みせいねんこうけんにん)」です。
未成年後見人とは、親権者すなわち保護者が亡くなってしまった時、家庭裁判所の審判によって選ばれた者のことを言います。
一般的には、祖父母やおじ・おば等の親族になるケースが多いようです。
要するに、子供がLINEを利用する場合には、LINEの利用規約に同意した親権をもつ保護者あるいは家族のように子供の世話をしている親族が「責任者」となります。
LINEのトラブルに関しては、子供だけで解決することは難しいです。
子供にLINEを安全に利用させたいのであれば、その子供を育てている大人が当事者意識をもってトラブルを未然に防ぐ対策を立てたり、ルールを徹底したり、指導・監督したりしなければならないのです。
子供のメッセージのやり取りをチェックする
LINEは文字のやり取りがメインのメッセージアプリです。
しかし、「文字」というのは、会話以上に相手に誤解されるリスクがあります。
例えば、友達と遊ぶ約束をした際に「何で来るの?」と交通手段を聞いたつもりが、メッセージを受け取った相手は「どうしてあなたが来るのよ!?来ないでよ。」と勘違いをしてしまうことがあります。
また、「一緒に遊びに行かない?」と質問をしたつもりが、「?」を書き忘れて「一緒に遊びにいかない」と突き放すようなメッセージを送られた相手に解釈されてしまうかもしれません。
特に子供の場合は、相手を誤解させてしまうような表現を使ってしまうことがよくあります。
子供が自分以外の人にメッセージを見せたくない、読まれたくないという思いが強いかもしれません。
しかし、LINEのトラブルを未然に防止する観点から、日常的にどのようなメッセージを送って友達とやり取りをしているのか、チェックしておくことが求められます。
LINEの利用についての指導のポイント
子供のLINEの利用については、誤った表現によって相手を傷つけてしまうことでトラブルへと発展してしまいます。
特に指導をしなければならないポイントは以下になるでしょう。
13.4. 過度に暴力的な表現、露骨な性的表現、児童ポルノ・児童虐待に相当する表現、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地等による差別につながる表現、自殺、自傷行為、薬物乱用を誘引または助長する表現、その他反社会的な内容を含み他人に不快感を与える表現を、投稿または送信する行為
要するに、暴言などのメッセージを送り、相手を心を傷つけて嫌な思いをさせては絶対にいけないということです。
子供のLINEのトラブルが起きてしまったら、どうして悪いことなのかを教えるために、例えば「暴力的なメッセージを送ったから」という根拠を明確に理解させた上で、相手に謝罪すること、反省すること、次からどうすればいいのか考え改善することが必要です。
子供自身が理解せず、納得していない状態だと、何が悪かったのか、どうしてメッセージを送っただけなのに謝らなければならないのかと理由が分からず、問題の根本が解決しません。
再度、同じようなトラブルが起きてしまう可能性があるでしょう。
子供のLINEトラブルを未然に防ぐために、保護者を中心に身近な大人が共に協力し合って、
・「言葉の暴力」を使ってはいけないこと
・「言葉の暴力」をメッセージとして記録として残してしまうと、そのメッセージを見るたびに相手が嫌な思いになること
・メッセージは文字なので相手に誤解を与えるリスクがあること
・相手のことを考えた言葉遣いができるようになること
を留意しながら、継続して指導していくことが重要です。
普段の言葉遣いがLINEのメッセージに出てしまいますから、子供の言動には十分に耳を傾けるようにしましょう。
LINEの利用推奨年齢
子供のLINEの利用を年齢によって制限すれば、LINEのトラブルに巻き込まれるリスクは低下するでしょう。
しかし、「今の時代に、子供にLINEの利用を制限してどうするんだ!?」とお叱りの意見があるかもしれません。
これは私の個人的な意見ではなく、LINE株式会社が示したものです。
青少年に安心安全にLINEをご利用いただくための取り組みの一環として、LINEのアプリストア上の利用推奨年齢を12歳以上に引き上げます。これにより、保護者の皆様がOSのペアレンタルコントロールを活用して、LINEの利用について管理できるようになります。
つまり、LINEの利用推奨年齢が12歳以上なので、小学6年生くらいまでは利用することはおすすめできない、やめた方がいいということです。
推奨年齢が上がった背景には、LINEトラブルの増加・低年齢化によって問題が深刻になっていることを意味しています。
子供のLINEの利用を制限したからといって、根本的な解決になりません。
現状としてLINEでのいじめや事件に巻き込まれてしまっている子供がいることも事実です。
少なくとも子供が推奨年齢の12歳以上、あるいはもっと年齢を重ねてネットのルールやモラルを理解できた時に、LINEを利用させても決して遅くはないでしょう。
ペアレンタルコントロールで子供のLINEの利用を管理する
ペアレンタルコントロールとは「子供が利用するIT機器(スマホやパソコンなど)を、保護者が管理するための機能」のことです。
例えば、iPhoneに備わっているスクリーンタイム機能を使えば、iPhoneを使用していた時間や使ったアプリの内訳をグラフで確認でき、アプリ等を使う時間を制限することもできます。
子供と相談して使用時間を決め、「LINEの利用は1日に1時間」と設定できます。
また、夜9時から朝の7時まではLINEの利用を使用させないようにするといった、利用の時間帯の制限もすることができます。
「もうそろそろスマホを使うのをやめなさい!」「いつまでやっているの!?明日、遅刻するよ!」と子供を注意したり、時計を見て声をかけたりする手間を省くことができるので、とても便利です。
子供のスマホ依存を回避することにも役立ちます。
まとめ
LINEは友人や知人と連絡できる便利なアプリで、もはや生活のインフラとも言えるサービスになっています。
しかし、そんな便利なものでも利用の仕方を間違えば、様々なトラブルを引き起こしてしまうリスクがあります。
特に知識や経験が乏しい子供にとっては、友達とトラブルになってしまう可能性が高いでしょう。
また、どんな子供でも「いじめられる側(被害者)」になることもあれば、「いじめる側(加害者)」になることもあり得ます。
だからこそ、子供の周囲を取り巻く保護者などを中心とした身近な大人がしっかりと見守り、トラブルが起きないように責任と細心の注意を払いながら教え育てていくことが重要なのです。