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適応障害の症状とは?心身に現れる深刻なサイン

天津シンギ / Shingi Amatsu
不調に悩む人
不調に悩む人

ストレスの原因が頭から離れず、心が休まらない。気分も体調も悪いし、酷く疲れているわ。適応障害なのかな?

適応障害は、日常生活の変化やストレスが原因で心や体に負担がかかり、普通の生活がしづらくなる病気です。

この記事では、「適応障害の症状」について分かりやすく解説します。

適応障害の症状を知っていれば、大きな出来事の後などに強い不安や気分の落ち込み、イライラなどの症状が現れた際の対処をすることができるだけでなく、病院へ行くかどうか適切に判断することも可能になります。

自分自身や誰かを助けたい方は、ぜひこの記事を参考にして、適応障害から心身の健康を守る第一歩を踏み出しましょう!

この記事を書いた人
天津夢人

うつ病とパニック症(不安症)の当事者

小学校教員15年以上のキャリア

JADP認定メンタル心理カウンセラー

JADP認定上級心理カウンセラー

適応障害とは何か?

適応障害

ストレスの原因となる出来事や環境に適応できなくなることで、心や体に不調が現れる病気のことです。

ちなみに、厚生労働省のホームページでは

日常生活の中で、何かのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じたもの。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態をいう。

と解説されています。

適応障害を発症するのは、人間関係の悩み、学校や職場の問題、家庭や経済の困難、災害や事故などのストレスが要因だと考えられています。

以下は、適応障害になりやすい主な要因です。

新しい職場への転職

職場での異動や部署替え

上司や同僚とのトラブル

長時間労働や過労

学校でのいじめや仲間外れ

クラス替えや転校

試験や受験のプレッシャー

離婚や別居

家族の死(親、子、配偶者など)

結婚や妊娠

引っ越し

経済的な困窮や借金

子育てのストレス(育児疲れ、子どもの問題行動など)

高齢の家族の介護負担

社会的孤立や人間関係の断絶

SNSやネットでの誹謗中傷

災害(地震、台風、洪水など)

犯罪被害(詐欺、暴力、盗難など)

リストラや解雇

試験や受験の失敗

仕事上の大きなミス

ストレスは誰にでもありますが、それが過度に強かったり、長く続いたりすると、心のバランスを大きく崩してしまうのです。

この病気は、誰にでも起こり得るものであり、特別な人だけがかかるものではありません。

適応障害とうつ病の違い

原 因ストレス源
適応障害はっきりしている離れると改善する
うつ病特定できない場合が多い関係なく症状が続く

適応障害の特徴は、原因がはっきりしていることです。

特定のストレス要因にうまく適応できず、心や体に不調が現れるのです。

例えば、職場でのトラブルや大きな環境の変化が原因となり、不安感や気分の落ち込み、集中力の低下が現れます。

うつ病の特徴は、原因が特定できない場合も多いことです。

例えば、理由もなく気分が落ち込んだり、何に対しても興味や喜びを感じなくなったりする状態が続きます。

また、適応障害の症状は、ストレス源から離れると改善する傾向がありますが、うつ病の症状は環境の変化に関係なく続くため、ただ休むだけでは改善しません。

適応障害によって精神面に現れる症状

適応障害によって現れる、主な9つの精神的症状について紹介します。

適応障害の精神的症状
  1. 気分の落ち込み(抑うつ気分)
  2. 意欲の低下
  3. 涙もろさ
  4. 焦燥感
  5. 緊張
  6. 不安
  7. 怒り
  8. 神経過敏
  9. 集中力や思考力の低下

①気分の落ち込み(抑うつ気分)

気分の落ち込み(抑うつ気分)とは、心が重く沈み、物事に対する興味や喜びを感じられなくなる状態のことです。

例えば、普段は楽しいと感じることに興味が湧かなくなったり、「自分はダメだ」と感じる自己否定の感情が強まることがあります。

この状態は、一時的な「気分の浮き沈み」ではなく、日常生活に支障をきたすほど続きます。

②意欲の低下

意欲の低下とは、「何かをやりたい」という気持ちが湧かなくなり、行動を起こす力が著しく弱まる状態のことです。

普段なら「やらなきゃ」と思える仕事や家事、趣味さえも、手をつける気にならないことが特徴です。

例えば、「起きているのもつらい」「食事を作るのも面倒」「好きだったことに興味が持てない」といった感覚に悩まされることがあります。

③涙もろさ

涙もろさとは、普段は泣かないような些細な出来事に対して、急に涙が出たり、感情が抑えられなくなる状態のことです。

心がストレスに圧倒され、感情のコントロールが難しくなっていることを示しています。

例えば、少し叱られただけで泣きたくなる、感動する場面でなくても涙が溢れるといったことが起こります。

④焦燥感(イライラ感)

焦燥感(イライラ感)とは、理由もなく心が落ち着かず、「何かをしなければいけない」「じっとしていられない」と感じるのに体がついていかない状態のことです。

ストレスが心の中で処理しきれず、不安や苛立ちが募っているサインです。

しかし、具体的に何をすべきかがわからず、無力感にさいなまれることもあります。

⑤緊張

緊張とは、心や体が常に構えているような状態で、リラックスできない感覚を指します。

ストレスに対する防御反応が強くなりすぎて、体や心が過敏に反応してしまうことが原因です。

例えば、職場や学校で何か失敗をしないかと不安になり、普段は気にしないことに過度に反応してしまいます。

⑥不安

不安とは、何か悪いことが起こりそうだという漠然とした恐れや心配が頭から離れない状態のことです。

ストレス要因に対して過剰に心配し、解決策が見つからないことで心が疲弊していることが多いです。

例えば、「このままでは失敗するのでは?」「自分はダメな人間かもしれない」といった考えが繰り返し浮かび、心が休まらない状況に陥ります。

⑦怒り

怒りとは、強い不満や苛立ちが湧き上がり、感情をコントロールできなくなる状態のことです。

例えば、些細なミスに激しく腹を立てたり、人の言葉に過敏に反応して感情的になったりすることがあります。

このような状態は、心がストレスに耐えきれず、感情を外に放出してしまっているサインです。

⑧神経過敏

神経過敏とは、音や光、人の言葉や行動など、普段は気にならないような刺激に対して過剰に反応してしまう状態のことです。

心がストレスに圧倒され、刺激をうまく処理できなくなっていることが原因です。

例えば、少しの物音に驚いたり、周囲の人の何気ない一言に深く傷ついたり、特定の状況や環境にいるだけで不快感を抱いたりすることもあります。

⑨集中力や思考力の低下

集中力や思考力の低下とは、物事に意識を向け続けることや、考えを整理して判断することが難しくなる状態のことです。

心がストレスによって過剰に負担を受け、脳の働きが一時的に鈍くなっていることが原因です。

例えば、簡単な作業に取り組んでも途中で気が散ったり、会話の内容を覚えられなくなったり、普段なら問題なくできる決断や計画がスムーズに進まなくなったりします。

適応障害によって身体面に現れる症状

適応障害によって現れる、主な6つの身体的症状について紹介します。

適応障害の身体的症状
  1. 疲労感や倦怠感
  2. 睡眠障害
  3. 食欲不振や過食
  4. 頭痛や腰背部痛、腹痛、肩こり
  5. 動悸
  6. 目眩

①疲労感や倦怠感

疲労感とは、何もしていないのに体がだるく、エネルギーが枯渇してしまったように感じることです。

普段ならできる簡単な作業でも、まるで重い荷物を背負っているように動くのが億劫になります。

倦怠感は、体だけでなく心にも広がる「やる気のなさ」や「無気力さ」を指します。

例えば、目の前にやらなければならない仕事や家事があっても「どうしても取り掛かれない」「何もする気が起きない」と感じるのです。

②睡眠障害

睡眠障害(中途覚醒・早朝覚醒・過眠)とは、 夜ぐっすり眠れず、翌朝まで疲れが取れない状態が続きます。

中途覚醒とは、夜中に何度も目が覚めてしまう症状で、一度目が覚めると不安や考えごとで眠れなくなり、そのまま朝を迎えることもあります。

早朝覚醒は、必要以上に早い時間に目が覚めてしまう症状で、本来はまだ眠れるはずの時間に緊張や不安で目が覚め、疲労感を引きずったまま一日が始まることになります。

過眠は、逆に寝すぎてしまう症状で、長時間寝ても眠気が取れずに体がだるいままで、何もする気が起きなくなります。

③食欲不振や過食

食欲不振とは、食べ物を見るだけで気持ちが悪くなったり、何も口にしたくなくなったりする状態のことです。

結果として、体重が減少し、体力が落ちることでさらに疲労感が増してしまいます。

過食とは、ストレスを紛らわせるために必要以上に食べてしまう状態のことです。

不安や焦りを一時的に忘れるために、甘いものやジャンクフードに手が伸びてしまい、食べ過ぎた後に罪悪感や自己嫌悪に襲われることもあります。

④頭痛や腰背部痛、腹痛、肩こり

頭痛とは、常に強いプレッシャーや不安を感じることで、脳や首周りの筋肉が緊張し、頭がズキズキと痛んだり、重くなったりすることです。

腰背部痛や肩こりとは、長時間の緊張状態が続くと、ストレスが体の筋肉を固くしてしまい、まるで重い荷物を背負ったかのような痛みを感じ、動くことさえつらくなることです。

腹痛とは、ストレスが消化器系に影響を与えるために起こり、胃がキリキリと痛んだり、下痢や便秘になったりすることです。

⑤動悸

動悸とは、心臓の鼓動が普段より速くなったり、強く感じられる状態のことです。

まるで心臓が「ドキドキ」「バクバク」と大きな音を立てているように感じ、胸の中で不快なほど響くことがあります。

ストレスを感じると体は危険に備えようとする反応を示し、交感神経(体を活動的にする神経)が働きすぎるため、心臓の動きが速くなってしまうのです。

⑥目眩

目眩とは、目の前がぐるぐる回ったり、ふらふらと体が揺れるように感じる状態のことです。

まるで地面が不安定になったかのように立っているのがつらくなり、ひどい場合には倒れ込んでしまうこともあります。

ストレスが続くと自律神経(体の調子を整える神経)の働きが崩れ、血流や呼吸が不安定になることで目眩が引き起こされるのです。

ストレスの原因から離れることで症状が軽くなる理由

ストレスから離れた時間(休日)やリラックスできる環境にいるときに、症状が一時的に軽くなることがあります。

ストレスの原因から離れた時の変化
  1. 心の安心感
  2. 自律神経のバランスが整う
  3. ストレスに対する反応の一時的なリセット

①心の安心感

ストレスの原因(職場や人間関係)から物理的に離れることで、「今は安心できる」という信号が脳に伝わります。

これによって、不安や焦燥感が軽減し、気持ちが少し楽になります。

②自律神経のバランスが整う

リラックスした状態では、副交感神経が優位になり、心拍数や呼吸が落ち着き、緊張していた筋肉もゆるみます。

例えば、休日に家でゆっくり過ごしていると、自然と頭痛や肩こりが和らぐことがあります。

③ストレスに対する反応の一時的なリセット

日常のストレスが蓄積されると、心が敏感になり、小さなことでも大きな負担に感じてしまいます。

しかし、原因から距離を置くことで心がリセットされ、ストレスの感じ方が軽くなるのです。

「軽くなる」のは一時的な回復

大切なことは、症状が軽くなるのは一時的であるということです。

ストレスの原因に再び向き合ったとき、症状が再発することがよくあります。

例えば、休日は楽に過ごせても、月曜日になると不安や頭痛がぶり返すといった状態です。

これはストレスの根本的な解決には至っていないためです。

まとめ

今回は、適応障害の症状について解説しました。

まとめ

適応障害は、特定のストレスが原因で心と体に不調が現れる病気である。

精神面では不安、抑うつ、イライラ、集中力の低下などが起こる

身体面では頭痛や睡眠障害、動悸、消化器症状が現れる

適応障害の症状を知ることで、適切な治療を受けるきっかけを作ることができます。

この記事で紹介した症状に悩んでいる場合は、一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に相談しましょう!

天津夢人
天津夢人

この記事を読んでくださり、ありがとうございました。

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【働き方改革リーダー】YUMETO Me(ユメトミ)とは、心の不安や悩み、身体の疲れを抱える皆様に向けて、今日よりも明日をラクに生活できる情報を発信するセルフメディアです。心の病で休職・復職をした体験と、教員として培った長年のノウハウをもとに「働くをラクにすること」を提案します。
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