【保存版】学校の熱中症対策11選!子どもの命を守る教員の必須知識
どうも、夢人です。
夏が近づき、気温がぐんぐん上がる日々の中で、「今日の体育は外でやって大丈夫かな?」「子どもが急に気持ち悪いと言い出したらどうしよう?」とお悩みではないでしょうか?
子どもは大人よりも熱しやすく冷めやすいという身体的な特徴があり、運動や遊びに夢中になると自分で体調の変化に気づきにくいものです。
そのため、学校という集団生活の場では、先生方が客観的な指標に基づいて活動を判断し、いざという時の対応を事前に準備しておくことが、子どもたちの命を守る最重要課題となっています。
今回の記事では、熱中症のサイン・応急処置・暑さ指数・熱中症警戒アラートなどの必要な知識に加え、先生として学んでおきたい熱中症対策11選をわかりやすく解説します。

この記事は以下のような人におすすめ!
- 勘に頼らず、客観的なデータに基づいて教育活動の実施を適切に判断したい。
- 子どものわずかな体調の変化を見逃さず、熱中症の初期症状をいち早く察知したい
- 万が一の事態が起きても、迅速かつ正しい応急処置を行いたい
この記事を読めば、暑さが厳しい日々の中で「今、何をすべきか?」「どこまでが危険なのか?」が明確に判断できるようになり、学校全体で子どもたちの命を熱中症から守る体制づくりができるようになります!
熱中症とは何か?見逃したくないサイン

暑い時期の体育の授業や遠足、運動会などの屋外活動で最も気をつけたいのが「熱中症」です。では、そもそも熱中症とは何でしょうか?
熱中症とは、体の中に熱がたまりすぎて、うまく体温を下げられなくなった状態のことです。
人の体は、気温や湿度が高い日には、汗をかいて体温を下げようとします。
しかし、水分不足や過度な塩分の喪失、あるいは体内に熱がこもるといった状態に陥ると、体温がどんどん上がってしまい、熱中症になる危険が高まるのです。
また、暑さや運動によって汗をたくさんかくと、水分や塩分が失われて、体のバランスがくずれてしまうことも熱中症の原因になります。
知っておくべき熱中症の3つの重症度分類
熱中症になると、主に次のような症状が出てきます。このようなサインを見逃すと、あっという間に重症化する恐れがあるため、日本救急医学会が定める3つの重症度分類を確認しておきましょう。
| 重症度 | 主な症状 |
|---|---|
| 重症度Ⅰ度 学校現場での応急処置によって回復が見込まれる軽度の症状 | めまい 失神 立ちくらみ こむら返り 手足のしびれ 大量の発汗 顔のほてり |
| 重症度Ⅱ度 医療機関での診察や治療が必要となる中等度の症状 | 頭痛 吐き気 嘔吐 倦怠感 虚脱感 |
| 重症度Ⅲ度 入院して集中治療を要する重度の症状 ※ただちに救急車を呼ぶ | 体温が高い 皮膚の異常 意識障害 呼びかけに反応しない けいれん まっすぐ歩けない 水分補給ができない |
子どもが呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない、自力で水が飲めないといった場合は、迷わず119番通報をして救急車を要請してください。
救急車の到着を待つ間も、一刻も早く体温を下げるための処置を続けることが救命の鍵となります。
熱中症の応急処置3ステップ

「あの子、顔が真っ赤でふらふらしている!」そんな場面に遭遇したとき、あなたならまずどう動きますか?
熱中症が疑われる場合、その場での迅速な対応がその後の回復を大きく左右します。 ここでは、いざという時に慌てず行動するための、応急処置の3ステップをご紹介します。
熱中症の疑いがある子どもを見つけたら、まずは直ちに活動を中止し、涼しい場所へ移動させましょう。
炎天下の校庭にいる場合は、風通しのよい日陰や、できればクーラーがしっかりと効いている保健室や近くの教室に避難させることが最優先です。
移動した後は、意識がしっかりしているか、自分で水が飲めるかを確認します。
この初期段階の確認が、救急車を呼ぶべきかどうかの重要な判断基準となります。
涼しい場所に移動させたら、次は体から熱を逃がすために衣服をゆるめます。
ボタンを外したり、ベルトを緩めたりして、風通しを良くしてください。
そして、何よりも重要なのが「体を冷やして体温を下げる」ことです。
氷や保冷剤、冷えたペットボトルなどがあれば、タオルで包んで「首の周り」「わきの下」「太ももの付け根」といった太い血管が通っている部分に当てて集中的に冷やしましょう。
もし氷などがない場合は、濡らしたタオルを体にあてて、うちわや扇風機で風を送ることで、気化熱を利用して体温を下げることができます。
意識障害が疑われるような重症の場合は、水道につないだホースで全身に水をかけ続ける「水道水散布法」なども有効です。
意識がはっきりしていて、自力で水分を摂ることができる状態であれば、冷やした水分と塩分を補給させましょう。
大量に汗をかいているため、水分だけでなく失われた塩分も一緒に補うことが必要です。
飲料としては、経口補水液やスポーツドリンクが最適です。少しずつ、ゆっくりと飲ませてあげてください。
一刻を争う事態では、発見した先生による素早い対応が求められます。
養護教諭(保健の先生)だけに任せるのではなく、目の前の子どもを救うための正しい応急処置を身につけておきましょう。
- 涼しい場所への移動
- 身体の冷却
- 水分・塩分の補給
活動基準の指標「暑さ指数(WBGT)」

「今日は日差しが強いから体育はやめておこう」「曇っているから外で遊んでも大丈夫だろう」と、先生の感覚だけで活動を判断していませんか?
実は、気温がそれほど高くない日でも、湿度が高いと熱中症のリスクは跳ね上がります。 そこで重要になるのが、「暑さ指数(WBGT)」という客観的な指標です。
暑さ指数(WBGT)とは、「熱中症のなりやすさ」を示す数値で表したもので、次の3つをもとにして計算されます。
- 湿度(最も影響が大きい)
- 気温(いわゆる温度)
- 輻射熱(ふくしゃねつ)※日差しや地面の熱など
これらを組み合わせて出された数値で、「気温が同じでも、湿度や日差しによって熱中症の危険度は大きく変わる」ことを教えてくれます。
人の体は、汗をかくことで体温を下げようとしますが、湿度が高いと汗が蒸発しづらくなり、体に熱がこもってしまいます。だからこそ、暑さ指数では湿度を重要視しているのです。
暑さ指数(WBGT)の見方
熱中症による救急搬送が最も増えるのは、暑さ指数(WBGT)が「28」を超えるときです。
この基準は「厳重警戒」と呼ばれ、教育活動においても特に注意が必要なラインとなります。
日常生活における熱中症予防指針
学校での普段の生活(休み時間や移動など)における暑さ指数の基準について、日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」では、次のように示されています。
| WBGT による 温度基準域 | 注意すべき 生活活動の目安 | 注意事項 |
| 危険 31℃以上 | すべての生活 活動でおこる 危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
| 厳重警戒 28℃以上 31℃未満 | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | |
| 警戒 25℃以上 28℃未満 | 中等度以上の 生活活動で おこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
| 注意 25℃未満 | 強い生活活動 でおこる 危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
暑さ指数の数値を参考にして、屋外で学習活動を実施する際には、次の点をしっかりと検討しましょう。
判断に迷う場合や不安があるときは、学年主任や管理職に相談し、安全な対応ができるよう連携を図ることが大切です。
運動中における熱中症予防指針
日常生活とは別に、体育の授業や運動会、陸上記録会などの場面では、日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」に示されている次の熱中症予防運動指針が基準となります。
| 暑さ指数 (WBGT) | 熱中症予防運動指針 | |
| 31以上 | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。 |
| 28以上 31未満 | 厳重警戒 (激しい運動は中止) | 熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分・塩分を補給する。暑さに弱い人は運動を軽減または中止。 |
| 25以上 28未満 | 警戒 (積極的に休憩) | 熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。 |
| 21以上 25未満 | 注意 (積極的に水分補給) | 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。 |
| 21未満 | ほぼ安全 (適宜水分補給) | 通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。 |
この暑さ指数を見て、次の点を的確に判断しましょう。
授業開始時は安全な数値でも、途中で暑さ指数(WBGT)が危険なレベルまで上がることは珍しくありません。
子どもたちの安全を最優先に考え、必要に応じていつでも授業を中断できるよう、適宜数値を確認しましょう。
暑さ指数(WBGT)の調べ方
環境省が提供している「熱中症予防情報サイト」を活用することで、全国の観測地点における暑さ指数(WBGT)の実測値や、数日先までの予測値を確認することができます。
パソコンやタブレット端末、スマートフォンからいつでも簡単にチェックできるため、朝の打ち合わせ前や、翌日の体育の授業計画を立てる際に非常に便利です。
より安全で確実な方法は、活動を行う現場で「暑さ指数計(WBGT測定器)」を使って実測することです。
校庭で測定する場合は、直射日光が当たる場所に設置し、地上から1〜1.5メートル程度の人の体温に影響を与えやすい高さで測定します。
熱中症警戒アラートと3つの対応策

近年、気温は昔と比べて明らかに上昇しており、命に関わるほどの危険な暑さが日常になりつつあります。
しかし、そうした環境の変化にもかかわらず、「暑さ指数(WBGT)」を確認せず、何となくの感覚で行動してしまう人が少なくないのが現状です。
そこで私たちが熱中症から身を守るために、近年は「熱中症警戒アラート(熱中症警戒情報)」が発表されるようになりました。
熱中症警戒アラート(熱中症警戒情報)とは、熱中症による健康被害のリスクが極めて高くなると予測されたときに環境省と気象庁から発表される情報で、「危険な暑さがやってくる」という強い警告の意味をもちます。
※最高暑さ指数(WBGT)が33以上になると予測される場合
2024年4月からは、さらに一段上の「熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)」も新たに加わりました。
熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)とは、「過去に例のない危険な暑さ」が予測されるときに発表される情報で、重大な健康被害や死亡のリスクがある日に出されます。
※最高暑さ指数(WBGT)が35以上になると予測される場合
これらのアラートが出たら、屋外での活動を中止したり、涼しい場所で過ごしたり、水分や塩分をしっかり補給したりといった熱中症予防の行動を徹底しましょう。
アラートが発表された日は、普段通りの学校生活を送ることはできません。
いざという時に慌てないために、学校全体であらかじめ対応策を決めておく必要があります。ここでは、アラート発表時に取るべき3つの具体的な対応策を整理します。
対応策1:熱中症警戒アラート発表時のルールを確認する
熱中症警戒アラートは、前日の17時頃、または当日の朝5時頃に発表されます。
発表された場合、誰がその情報を確認し、どのように全教職員へ伝達するかという「情報共有のルート」を明確にしておくことが第一歩です。
たとえば、管理職の先生(校長・教頭)や体育主任が情報を確認し、打ち合わせで全員に周知する、あるいは緊急の校内放送で知らせるといったルールです。
情報が一部の先生にしか伝わっておらず、アラートが出ているのに外で激しい運動をしてしまった、という事態は絶対に避けなければなりません。
対応策2:屋外活動や体育の授業などを見直す
アラートが発表されたということは、熱中症の危険性が極めて高い状態です。
この日は、屋外での体育の授業や、外遊びなどは中止または延期すべきです。
もし体育館で授業を行う場合でも、エアコンが設置されていなければ熱中症のリスクは十分にあるため、他の授業に切り替えるといった柔軟な対応が必要です。
「予定されていた授業だから」と無理に実施するのではなく、常に子どもたちの命を最優先にした活動内容への変更をためらわないでください。
対応策3:保護者や地域からの問い合わせに備える
アラートが発表された日は、保護者の方も「今日は外で体育をやるのだろうか?」「水筒の中身が足りるか心配だ」と不安を感じています。
時には「アラートが出ているのに子どもが外にいた」といった問い合わせが学校に入ってくることもあります。
このような事態に備え、あらかじめ保護者に対して「アラート発表時の学校の基本方針」をプリントや学校配信メールなどで周知しておくことが効果的です。
また、もし問い合わせがあった場合には、「校庭で暑さ指数を実測し、基準値未満だったため、時間を短縮して実施しました」といったように、客観的な数値に基づいた安全管理を行っていることを丁寧に説明できるよう、回答の方向性をすり合わせておきましょう。
学校で行うべき熱中症対策11選

熱中症対策は、何か一つのことをやれば完璧というものではありません。
環境づくり、生活指導、保護者との連携など、さまざまなアプローチを組み合わせて「学校全体で子どもを守る網」を張ることが重要です。
毎年夏が来るたびに「今年はどんな対策をしようか?」と悩むことがないよう、学校で行うべき熱中症対策を11個のリストにまとめました。
①屋外活動の中止・延期の決断
最も確実な予防策は、暑い環境下での活動を避けることです。
暑さ指数(WBGT)が31以上(危険)の場合は、原則として運動や屋外活動は中止とします。体育の授業、運動会の練習、休み時間の外遊びなど、すべてが対象です。
どうしても実施が必要な場合は、暑さ指数の値が低い時間帯に限り、短時間・低負荷で行うなどの工夫をしましょう。しかし、絶対に無理をすべきではありません。
前日あるいは当日の朝、必ず「暑さ指数(WBGT)」を確認する習慣を全職員で共有し、校内放送や職員朝会・夕会で全体周知することが求められます。

暑い日は水泳の授業でプールに入れるけど、暑すぎると危険だから中止になるのは悲しい!
②室内の温度・湿度管理の徹底
屋外での活動を中止しても、教室が暑ければ意味がありません。エアコンが設置されている教室では、室温が28度以下になるように適切に管理しましょう。
また、エアコンがない教室を使用する場合は、扇風機を活用したり、換気をこまめに行ったりして空気を循環させます。
遮光カーテンを閉めて直射日光を防ぐだけでも、室内の温度上昇をかなり抑えることができます。

学校や自治体によっては、熱中症を予防するための機器や設備が十分に整っていない場合もあるので、一日も早く必要な環境整備が進むことを強く望みます!
③こまめな水分補給の促進
「のどが渇いた」と感じた時には、すでに体内の水分はかなり失われています。
のどが渇く前に、計画的に水分を補給させることが重要です。
授業の合間や、体育の時間の前後、休み時間の前後など、先生から「お茶を飲みましょう」と意識的に声をかける時間を作りましょう。
特に低学年の子どもは遊びに夢中になって水分補給を忘れがちなので、全体への声かけが効果的です。
④水筒持参の許可
これまでも、運動会当日やその練習期間など、限られた場面において水筒の持参を許可していた学校は多くありました。
しかし、コロナ禍をきっかけに、日常的に水筒の持参を認める学校が全国的に大きく増加しました。
現在では、教室内に水筒を置ける環境が整えられており、棚やロッカーの上、指定されたボックスなどに安全に保管する運用がされています。
こうした環境を活かして、「先生の指示があったときに飲む」だけでなく、「子ども自身が体調や状況に応じて適切なタイミングで水分をとる」ことができるように支援していく姿勢が大切です。
- 水筒の中身は水またはお茶のみとする。※ただし、熱中症予防の観点から、スポーツドリンクを入れることを許可する場合もある。
- 中身がこぼれないように、フタやパッキンを確認する。
- 水筒を毎日必ず持ち帰り、自宅でキレイに洗う。
- 水筒を置く時は、ストラップが垂れ下がらないようにまとめておく(あるいは外しておく)
- 水筒を首や肩などにかけている時は、走ったり遊んだりしない。※転倒すると水筒が腹部に当たって内臓を損傷するといった事故が起きたり、遊具に引っかかって窒息したりする可能性がある。

⑤登下校時の見直しと安全確保
登下校中にも熱中症リスクは潜んでいます。特に下校時は気温が最も高くなる時間帯に重なることが多いため、次のような見直しが必要です。
通学路の点検といえば、交通量が多い場所や見通しの悪い交差点といった危険箇所、そして「こども110番の家」の確認が基本です。
しかし、これらに加えて、通学途中で暑さをしのげる日陰や涼しい場所を事前に見つけておくことも、子供の身を守るための大切なポイントです。
⑥保護者への迅速な情報提供
熱中症警戒アラートが発令されるなど、暑さ指数(WBGT)が高く、熱中症の危険性が高まると予想される場合には、学校から保護者へ速やかに情報を伝えることが非常に重要です。
その際には、緊急メール、連絡帳、学校アプリ、ホームページなど複数の手段を活用し、確実に情報が届くように努めましょう。
保護者へ伝えるべき主な内容として、次のような項目が考えられます。
「本日は暑さ指数が高いため、水泳の授業を中止にしました」「水筒の中身が空になる子が多いため、明日からは少し多めに持たせてください」といった具体的な発信は、保護者に安心感を与えます。
⑦応急処置の体制確認と共有
万が一、熱中症が発生した際に迅速で適切な対応ができるよう、学校内の応急処置体制を日頃から整えておくことが重要です。
そのためには、保健室には次のような応急処置用品を常備しておきましょう。
また、全ての先生が「誰が、どの場面で、何をすべきか」という対応の流れを事前に理解しておくことが不可欠です。
養護教諭(保健の先生)が出張等で不在の場面でも適切な初期対応が取れるよう、研修会や職員会議などを通じて共通認識をもつことが求められます。
⑧睡眠や朝食などの生活指導の徹底
熱中症というと、暑い場所に長時間いることや、水分不足が原因だと思われがちですが、実は普段の生活習慣が大きく影響しています。
そのため、学校では生活指導の中で、子どもたちに「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さをくり返し伝えています。
なぜなら、睡眠不足のまま登校したり、朝ごはんを食べなかったりすると、体の調子が整わずに体温調節も上手くできなくなり、ちょっとした暑さでも熱中症にかかるリスクが高まってしまうからです。
熱中症を防ぐためには、次のようなことを重点的に指導します。
こうした基本的な生活習慣が、子どもたちの体を守る“見えない盾”になります。
⑨暑さに慣れさせる(暑熱順化)
学校では、先生が「外で元気に遊びましょう」と子どもたちに声をかけ、休み時間に校庭で体を動かすよう促す場面がよく見られます。
その言葉を聞いて、「外で遊ぶより、教室で静かに過ごしたいな」「どうしてわざわざ外で遊ばなきゃいけないの?」と疑問に思う子どももいるかもしれません。
しかし、これはただ運動して体力をつけてほしいという目的だけではありません。
これから気温がどんどん高くなることを見越して、子どもたちの体を暑さに慣れさせる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」のためなのです。
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、体が暑さに慣れて、暑さに強い体になることです。暑熱順化が進むと、汗をかきやすくなったり、体の熱を外に逃がしやすくなったりと、体温を調節する力が高まります。
まだそれほど気温が高くない時期から、休み時間に外で少し汗をかく程度の遊びを促したり、体育の授業で徐々に運動量を増やしたりして、汗をかきやすい体づくりを進めていきましょう。
⑩暑さ対策グッズ持参の許可とルール化
近年は様々な暑さ対策グッズが販売されています。
「昔はこんなグッズは必要なかった」といった従来通りの常識は、もはや通用しない危険な暑さが続いています。
子どもたちの命と健康を守ることを最優先に、これまでの校則や前例にとらわれず、最新の暑さ対策グッズを学校現場でどのように活用していくべきか、早急に議論を深めていく必要があるでしょう。
⑪子どもの顔色や汗を注視する健康観察
どんなに事前の熱中症対策を徹底しても、学校生活において子どもの熱中症を完全に防ぐことは困難です。そこで最後の砦となるのが、先生の「観察の目」です。
子どもは休み時間の外遊びや体育の授業に夢中になるあまり、自分自身の体調の異変に気づかないケースが少なくありません。
さらに、大人と比べて体温調節機能が未発達でありながら、自らの不調を言葉でうまく訴えたり、衣服でこまめに暑さ調節をしたりすることが苦手です。
だからこそ、先生が子どもの顔色や汗の量といった「熱中症の初期サイン」に気を配る必要があります。

まとめ
今回は、熱中症のサイン・応急処置・暑さ指数・熱中症警戒アラートなどの必要な知識に加え、先生として学んでおきたい熱中症対策11選について紹介しました。
- 暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートなどの客観的なデータに基づき、体育や屋外活動の実施を的確に判断すること。
- 涼しい場所への移動や体を冷やすといった応急処置の3ステップを、学校全体で日頃から共有しておくこと。
- 水筒や暑さ対策グッズの活用、保護者との迅速な連携など、学校全体で子どもたちを危険な暑さから守る体制を構築すること。
この記事を読んだことで、危険な暑さの中で「今、何を優先すべきか」「どこまでが安全なのか」を明確に判断できるようになり、自信をもって子どもたちの命を守る行動をとれるようになったと思います。
ぜひ、健康観察や教室の環境づくりなど、できることから一つずつ取り入れて、子どもたちが安全に楽しく過ごせる学校生活を一緒に作っていきましょう!


