小学3年生になると、算数の授業で「小数」の学習が始まります。
小数とは、「数や量で単位1に満たないはしたの部分を、位取り記数法に従って表すようにしたもの」です。
多くの教科書では、水のかさのはしたの量の表し方を考えさせ、以下のような学習のまとめが示されています。
1Lを10等分した1こ分のかさを「0.1L」と書き、「れい点一リットル」と読みます。
学年が上がるにつれて、小数の四則計算を学習していくわけですが、子供たちの小数の書き方に注目すると「小数点」に違和感を覚えることがあります。
それは、
,(カンマ)
.(ピリオド)
、(読点)
のように、小数点の書き方が子供によってバラバラになっていることです。
この3つの中で、どれが正解なのでしょうか?
正しい小数点とは?
結論から言うと、日本の場合は
.(ピリオド)
が正解になります。
日本では、「.(点=ピリオド)」を使用するイギリス式を採用しています。
イギリス式の小数点を使用する国は、アメリカ、日本、中国、インドなどです。
一方「,(コンマ)」はフランス式と呼び、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシアなどの国で使用されています。
国際的には小数点を「.(点=ピリオド)」と「,(コンマ)」のどちらを使っても正解になります。
日本では、タイムを計測する際に小数点を「コンマ」と言い表すことがしばしば見られます。
例えば、0.5秒を「コンマ5秒」と言うようにです。
これは、明治時代にフランス式の「,(コンマ)」が入ってきた名残だと言われています。
また、日本で小数を縦書きの漢数字で表す場合は、3.14=三・一四のように、
「・(中黒=なかぐろ)」を用いています。
ちなみに、小数点を書き間違える例として「、(読点)」が多い傾向があるように感じています。
私が調べた限りでは、小数点を「、(読点)」を用いる国は見つかりませんでした。
小数点の書き方について、細かいところと見るか、大事なところと見るかで解釈が大きく変わってくるでしょう。
しかし、初めて小数の学習をする小学校において「正しい小数点の書き方」を習得することが望ましいと思います。