仕事術

長時間労働のメリットが書かれたビジネス書は存在しない

天津ユメト / Yumeto Amatsu

ビジネス書を見ると、どれも「定時」「残業しない」の言葉ばかり。長時間労働の良さがちっとも書いていないのに、どうして私たちは長時間労働をしているのだろうか?

定時に帰宅しても、けっこう疲れが溜まっているわ。

日本では労働時間が長いことが、「働き者」であるとか、「努力家」であるといったイメージを持たれがちです。

しかし、長時間労働が常態化すると、その影響はネガティブな結果をもたらします。

健康問題、ストレスの増加、家庭やプライベートの時間の犠牲など、長時間労働が原因となる問題は数多く存在します。

それなのに、私たちはなぜ長時間労働を続けてしまうのでしょうか?

この記事では、長時間労働の見直すべき問題について説明します。

結 論

働き方が多様化していく中で、8時間労働を見直す必要がある。

それでは、解説していきます。

そもそも定時に帰っても長時間労働になる!?

法律で定められた労働時間は「1日8時間、週40時間」です。

法律によって8時間労働と定められていますが、6時間労働でも4時間労働でも構わないわけです。

でも、私たちは法定労働時間の上限の最大値である8時間働かされている。

つまり、8時間労働して定時に帰ったとしても、「長時間労働」だと言えると思います。

そもそも、8時間労働の根拠は何でしょうか?

【日本の8時間労働制の歴史】

・産業革命時代、1817年にイギリスの社会革命家であるロバート・オーウェンは「8時間労働、8時間休息、8時間娯楽」というスローガンを提唱した。

・このスローガンが他国へと広がり、労働運動につながった。

・1919年に、国際労働機関(ILO)が「労働時間を1日8時間・週48時間に制限する」という第1号の条約を採択し、国際的なルールとして確立した。

・日本では1947年に労働基準法の制定され、「8時間労働」が決められた。当時は週休1日だったため、週48時間労働であった。

・1987年に、週休2日を前提として週40時間に改正された。

8時間労働の起源は約200年前です。

科学技術や情報伝達技術が発達した現代においても、その8時間労働は変わりません。

しかも、8時間労働に科学的な根拠はありません

本当に8時間労働は適切な長さなのでしょうか?

週39時間労働が限界!?

オーストラリア国立大学(ANU)の研究では、労働時間が人々の健康にどのように影響を与えるかを調査しました。

研究結果は「人々が健康的に働けるのは週39時間が限界」という結論に達したのです。

週40時間以上働くと、ストレスや疲労が増加し、これが身体的、精神的健康問題を引き起こす可能性が高まるということです。

この結果は、一般的に受け入れられている週40時間労働の基準を見直すきっかけとなりました。

他にも様々な研究がされており、長時間労働によって健康被害が出ていることが分かっています。

今後は、8時間労働を見直す動きも日本で見られるかもしれません。

外部リンク:GIGAZINE
人が健康的に働けるのは週39時間まで
人が健康的に働けるのは週39時間まで

長時間労働にメリットはない

本屋やネットでビジネス書のタイトルを見ると、「定時で退勤する」「残業ゼロ」「長時間労働の是正」「働き方改革」と数多くありますが、「長時間労働のメリット」が書かれたタイトルがありません。

中身を読んでみても、長時間労働によるメリットが書かれたものが存在しないのです。

ビジネス書が長時間労働のメリットについて語らない理由は、単純にそのメリットが明確ではないからだと思います。

また、長時間労働が生産性を向上させるという証拠も見つかっていません。

多くの研究が示すところでは、長時間労働はむしろ生産性を下げ、創造性を阻害します。

この事実が、ビジネス書に長時間労働のメリットを掲げることをゼロにしているのだと捉えています。

まとめ

今回は、長時間労働の見直すべき問題を解説してきました。

ポイントは、「働き方が多様化していく中で、8時間労働を見直す必要がある。」です。

何となく8時間労働をするのではなく、どうして自分が働いている職場・職種では8時間労働に設定されているのか?

それは最適化された時間になっているのか?

改めて見直すべきだと考えています。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、次回の記事でお会いしましょう。

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天津シンギ
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当ブログの管理人
複数のコンビニ業界に5年近く販売の仕事に携わる。また、小中学校で教員として十数年間勤務する。2023年より本格的にブログを開始。 休職・復職の経験や教員としてのキャリアを生かして、「自分を大切にする、上手な生き方」に関する情報を発信しています。現在はYouTubeやXも含めて拡大中。
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