どうして仕事に目標の設定が必要なの?脳科学的に説明します


仕事に目標を設定して何の意味があるのでしょうか?

「目標を立てましょう」って言われても、さっぱりだわ!
学生時代、学校では「学習の目標(めあて)を立てなさい」と、先生から言われたことがあると思います。
大人になってからも、仕事での目標設定が何かと多いと思います。
この記事では、そんな仕事で目標を設定する意味についての脳科学的な視点について載せています。
目標を設定して、それを実現すれば、脳の中のドーパミンが分泌されて、さらなる高みへ目指そうとする
それでは、解説していきましょう。
幸せは脳の中にある

みなさんの幸せはどこにあるのでしょうか?
お金がたくさんあるところ?
家族や友人と過ごす空間?
美味しいものが食べられるレストラン?
多くの人は、幸せは誰かから与えられるもの、あるいはどこかから手に入れるものだと思いがちでしょう。
しかし、脳科学的に見れば「幸せは脳の中にある」と言えます。
私たちの脳の中には、「ドーパミン」という幸福を発生させる物質が存在しています。
このドーパミンが分泌されたとき、私たちは幸せを感じるのです。
幸せになる方法は「ドーパミンを出す方法」とも言えるでしょう。
こうしたことからドーパミンは「快楽物質」とも呼ばれます。
目標達成とドーパミンの関係

ドーパミンがどのようなときに分泌されるのかというと、それは「目標が実現されたとき」です。
例えば、仕事が上手くいった時などに「上手くやった」「できた」という達成感とともにドーパミンが分泌され、結果として、私たちは幸福感に満たされます。
それだけではありません。
目標や計画を立てた時点で、すでにドーパミンは分泌されているのです。
目標に取り組むことにワクワクしたり、計画を立ててる段階でイメージしたら楽しくなったりした経験があるのではないでしょうか。
つまり、ドーパミンが分泌されて、モチベーションが上がっている状態なのです。
ドーパミンの分泌に重要な役割を果たすのが、大脳辺緑系(だいのうへんりょくけい)の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる部位です。
側坐核が刺激されると、すぐにドーパミンが分泌され、私たちに快感を感じさせます。
この快感と行動が結びつき、さらなる快感を得ようと、次の行動のモチベーションが高まるのです。
つまり、ドーパミンは人間の学習や行動の動機づけと密接に関わっています。
強化学習へとつながる

やる気やモチベーションは、側坐核が刺激された時にアップします。
そして、側坐核の「ニューロン(神経細胞)」は「報酬をもたらす刺激」によって興奮します。
報酬をもたらす刺激とは、例えば、楽しいこと、面白いこと、目標が実現できたこと、褒められたこと、愛されたことなどが挙げられます。
人間は十分な報酬をもらわないと、仕事をやる気になりません。
つまり、脳内にドーパミンが分泌されないのです。
だから、脳にやる気を出させるためには、意図的に報酬をもたらす刺激を与えればいいのです。
報酬とドーパミンの分泌との関係は、サイクル状になっているため、特定の行動をとることで、快感が得られることを脳が学習します。
そして、再び快感を得たいがために、同じ行動をとるようになります。
しかも、2回目の行動では、前回よりも大きな快感を得られるように「工夫」をするようになります。
この結果、より大きな快感が得られます。
その次は、さらに快感を得るために工夫して行動します。
このように快感を得るための工夫を繰り返すことで、自然と多くのことを考え、学習し、自己成長が促されます。
この一連のサイクルを、ドーパミンの「強化学習」と呼ばれます。
ドーパミンが担うこの強化学習のシステムが、人間のモチベーションを維持し、より高い自分へと成長するために不可欠なのです。
事実、人間がテクノロジーを発達させ続け、これだけ技術が進んでも、さらに上を目指さないと気が済まない理由も、この強化学習と大きく関わっています。
新たな技術や知識の獲得、それらを活用した成功体験などは、脳に「報酬」として認識され、ドーパミンの分泌を促します。
それがさらに行動を活発にし、技術の進化を促進するというサイクルが繰り返されているのです。
まとめ
今回は「仕事で目標を設定する意味についての脳科学的な視点」を解説してきました。
ポイントは、目標を設定して、それを実現すれば、脳の中のドーパミンが分泌されて、さらなる高みへ目指そうとすることです。
何となく目標を持つのではなく、自分自身が確実に達成したい目標を設定することで、ドーパミンの分泌が促されていくでしょう。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。
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